カラットとは、サイズの単位ではなくダイヤモンドを初めとした多くの宝石の重さを表す単位で、4Cの中でその違いが最も見た目で分かりやすい基準です。主な宝石の重量はメートルカラット(※)で表記され、1カラットは0.200グラムと同等で、記号は “ct”と表記されます。
1カラット= 0.200グラム
※1906年にカラットはメートル法に取り入れられ、それ以前に使用されていた他のカラットと区別する意味合いも込め、正式にはメートルカラットと呼ばれます。
カラットは、カット・クラリティ・カラーなどの他の品質に比べて、見た目でよりはっきりとダイヤモンドのインパクトや美しさを伝えてくれる要素です。そのためブリリアンスプラスでは婚約指輪や記念品などに用いるダイヤモンドには、ご予算の範囲内でできるだけ大きなカラットのものをお選びいただくことをお薦めしています。
また、ダイヤモンドの美しさは大きさだけではなく、4Cの他の要素を含む全体の品質バランスが大切です。ご予算内でカラットを重視しつつもベストバランスを考慮することが、満足度の高いダイヤモンド選びのポイントです。
ダイヤモンドを含め多くの宝石の価値は“カラット”が非常に重要な評価基準となります。大きな宝石自体の希少性が高く、見た目に最も分かりやすい魅力であることが理由です。宝石を原石から擦り出す際も、まずカラットが大きく採れることを重視して作業を進めます。
ただし、同じカラットのダイヤモンドでもその他の要素(カット・カラー・クラリティ)の品質の良し悪しで評価が異なり価値が変わってきます。
カラットが大きくても、内包物や疵が多く、色づきがあり、本来の輝きが無ければダイヤモンドとしての価値は低くなります。
同じカラットのダイヤモンドでも、カットの仕方によってダイヤモンドの深さやテーブル面の直径に違いが生まれます。そのバランスによっては、同じカラット数でも価値に差が生じることがあります。
例えば深さが浅くテーブル面の広いものは見た目が大きく見栄えが良いように思えますが、効率よく光を反射させる上質なカット形状ではないため、輝きが著しく低くなります。反対に深さのあるダイヤモンドの場合、直径も見た目も小さい上にカットグレードの評価も下がってしまいます。
カラットは重要な評価基準ですが、ダイヤモンドのグレードはそれ以外の要素の影響も受けて決まっていきます。ダイヤモンドの価値は、美しさと希少性がバランスよく伴ってこそ高まるものです。
ブリリアンスプラスで、婚約指輪用のダイヤモンドとして0.3~0.4ctを購入されているお客様は全体の43.4%と最も多く、0.4ct~0.5ctは16.3%、0.5ct以上は11.3%です。0.3ct以上のダイヤモンドの割合は全体の70.9%を占めます。
婚約指輪に選ばれているダイヤモンドの平均カラット数は0.34ct。一般的に主流と言われている0.2ctより大きなカラットが選ばれています。
ブリリアンスプラスで購入されている平均カラット数 = 0.34ct
一般的に女性は年齢を重ねると、小じわが増え指が太くなったりと手に変化が起こると言われています。そのため、最初は丁度良く感じていたダイヤモンドのサイズも、年を経るごとに小さく物足りなく感じられてしまうという声をよく聞きます。
また、少し背伸びをした洋服が着慣れてくると自分に自然と似合ってくるように、ダイヤモンドの大きさにも意外とすぐに慣れてしまうもの。最初は少しくらい大きいと思うくらいのカラットを選んだ方が、末永くお使いいただける婚約指輪となります。
カラット重量は大きさの単位だと思われている方も多いようですが、あながち間違いではありません。
ダイヤモンドは炭素元素(元素記号=C)の同素体の一つで、比重が3.52と一定です。そのため重量が大きくなるのに比例して体積が大きくなります。
ダイヤモンドに最も多く使われるカットが、フォルムの仕上がりに厳密なルールが定められている「ラウンドブリリアントカット」だということも要因です。ラウンドブリリアントカットには最も効率よく光を反射させ美しく輝くように、各カット面のサイズや面と面が作る角度に厳しい比率基準が設けられています。
つまり婚約指輪にふさわしい、カットグレードが「エクセレント」といった上級のラウンドブリリアントカットダイヤモンドは、ほぼ相似形。
そのため、カットグレードが上質なラウンドブリリアントカットであれば、カラットが重くなるのにほぼ比例して、各カット面も全体のサイズも規定通りの大きさに増えていきます。
ダイヤモンドやその他の宝石の重量の標準単位であるカラットは「イナゴ豆(carob)」の種子がその名の由来だと言われています。イナゴ豆の種子は重さが約0.2gで重量が均一に近いという特徴があります。そのため昔の宝石商たちはイナゴ豆を天秤の分銅の代わりとして用いていました。
1カラットを何グラムと定義するかに関しては歴史上様々な見解がありましたが、1913年に米国が0.2グラムに相当するメートルカラット法を採用したのを機に、これが世界基準となりました。
ダイヤモンドは、わずかなカラットの違いでも価値に大幅な違いを生み出すため、計測する精度が非常に重要になります。
宝石業界では計測に精密なマイクロ電子天秤が用いられ、多くの場合10万分の1カラットまで測定し、GIAではその位を八捨九入して100分の1カラットで表示します(※)。
また、1000分の1の位の値が9の場合は数値を丸めることになっています。例えば0.708ctの場合は0.70ct、0.709ctの場合は0.71ctと表記します。
※中央宝石研究所では1000分の1カラットまで表示します。