ダイヤモンドのカラー比較

8.ダイヤモンドの色味を表す
“カラー”

婚約指輪の選び方07
ポイント

1.婚約指輪用のダイヤモンドは無色透明が理想

ダイヤモンドは一般的に、その希少性から無色透明に近いものほど価値が高くなります。
特に婚約指輪用のダイヤモンドは、婚約指輪にふさわしい「純粋」「無垢」を連想させることからできるだけ無色のものが理想的とされ、「無色(Colorless):D・ E・ F」あるいは「ほぼ無色(Near Colorless):G・H・I・J」グレードのダイヤモンドが多く用いられます。

2.カラーグレードの仕組み

ダイヤモンドの色彩の違いは、素人の目では判断できないほど微細な場合もありますが、その微妙な差異がダイヤモンドの品質価値に大きく影響します。無色透明の最高カラーDから始まり色味を次第に増していき、色が最も濃いライトと呼ばれるZまで、23段階に評価されます。

カラーのグレードチャート

ダイヤモンドの色彩の違いは、素人の目では判断できないほど微細な場合もありますが、その微妙な差異がダイヤモンドの品質価値に大きく影響します。
二人以上のグレーダーが、それぞれ示した評価結果をシステムに入力し、合意具合によってはさらに別のグレーダーが加わり再鑑定し評価を決めていきます。十分に見解が一致するまでは最終決定が下されることはありません。

ダイヤモンドのカラーグレードは、色味がどのくらい明瞭なのか、色濃度を検査し決定されます。
カラーグレードの各アルファベット(D〜Z)は、色範囲の1点を指すものではなく、明確に定義された狭い色範囲を示します。そのため、同じカラーグレードのダイヤモンドを比較すると、色濃度にわずかな差が生じる場合があります。

3.最も人気な最高グレードDカラー

色範囲の中で最も希少性が高く、科学的にも純粋かつ構造上完璧と言える最高級のダイヤモンドカラーがDカラーです。

ブリリアンス・プラスで一番人気のあるカラーはこのDカラーで、全体の41.7%のお客様にお選びいただいています。Dカラーは特に人気がありますが、上から観察するフェイスアップの状態で色の違いが分かりにくい、Gカラー以上のダイヤモンドも多くの方に支持されるカラークオリティです。

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カラーグレードがDから始まる理由

カラーグレードは、なぜDから始まるのでしょうか。
GIA(米国宝石学会)によるとカラーグレーディングスケールを開発する以前は、アルファベット(A・B・C、最高級の石には複数のAを使用)や、アラビア数字(0・1・2・3)およびローマ数字(I・II・III)など様々な記号システムが漠然と使用されていたそうです。そのため、これら旧体制のカラーグレーディングシステムは一貫性を欠き不正確でした。
そこでGIAは以前のシステムとは一切関連のない新しいシステムを設立しようと、これまで最高品質に関連付けられていなかったアルファベットの“D”から始めたとしています。

各カラーグレードの特徴

カラースケールには、5段階の色範囲があります。

カラーのグレードチャート

ダイヤモンドのカラーを鑑定する際は、尖ったように見えるパビリオンを上にした「フェイスダウン」側から観察を行います。対してテーブル面を上にした状態を「フェイスアップ」と呼びます。

フェイスダウンからの目視 フェイスダウン
フェイスアップからの目視 フェイスアップ
カラーレス カラーレス : D-E-F
ニアカラーレス ニアカラーレス : G-H-I-J
フェイント フェイント : K-L-M
ベリーライト ベリーライト : N〜S

カラーレス(無色): D-E-F

カラーレスと言われる等級の中でも、最上のダイヤモンドだけがこのDカラーに格付けされます。【Exceptional White+】エクセプショナルホワイトプラス(類まれな白の中でも最上級)と評価される、希少性の最も高いカラーグレードです。
※ピンク・レッド・ブルー等の希少ファンシーカラーダイヤモンドを除く

D : Colorless
カラーレスグレードD

カラーレスと言われる等級の中でも、最上のダイヤモンドだけがこのDカラーに格付けされます。【Exceptional White+】エクセプショナルホワイトプラス(類まれな白の中でも最上級)と評価される、希少性の最も高いカラーグレードです。
※ピンク・レッド・ブルー等の希少ファンシーカラーダイヤモンドを除く

E : Colorless
カラーレスグレードE

カラーレスで次点に評価されたダイヤモンドがEカラーに格付けされます。熟練のグレーダーでも基準となるマスター・ストーンとの比較なしではほとんど無色に見え、その違いを一般的な光源下では肉眼で確認することはできません。
【Exceptional White】エクセプショナル ホワイト(類い希な白色)と評価され、希少性の高いカラーグレードです。

F : Colorless
カラーレスグレードF

カラーレスで最後に位置付けされる評価がFカラー。熟練のグレーダーがフェイスダウン(パビリオン側)で極々わずかな色を認められるだけで、一般的な光源下では肉眼で確認することはできません。
【Rare White +】レア ホワイト プラス(希少な白色の中でも上質)と評価され、希少性の高いカラーグレードです。

ニアカラーレス(ほぼ無色) : G-H-I-J

ニアカラーレスのダイヤモンドはフェイスアップでは無色に見え、フェイスダウンにするとわずかな色づきが認められるグレードです。この等級では専門家が一定規格内の照明と厳密な環境条件で比較しない限り色の違いを確認することは難しく、訓練されていない人の目には、婚約指輪にセットされた状態では色づきがほとんど感じられません。

G : Near Colorless
カラーレスグレードG

ほぼ無色、ニアカラーレスと格付けされる中で最上ランクのGカラー。
【Rare White】レア ホワイト(希少な白)と評価され、熟練のグレーダーでも注意深く比較して初めて上級クラスとの違いが分かる程度です。D・E・Fクラスと比べて、クオリティも決して劣らない「お値打ち」のカラーグレードです。

H : Near Colorless
カラーレスグレードH

ニアカラーレスで次点に評価されたものがHカラーに格付けされます。
【White】ホワイト(白)と評価され、上級クラスと並べて比較しなければ判別できないごく微妙な色味です。リングに固定されてしまえば熟練のグレーダーでも見分けることは困難で、ダイヤモンドを見慣れた方でなければ色味は感じられません。

I・J : Near Colorless
カラーレスグレードI・J

ニアカラーレスと評価される中で、3番目と4番目の格付けに位置するのがIカラーとJカラーです。どちらも【Slightly tinted white】スライトリー ティンテッド ホワイト(わずかに色づいた白)と評価されます。大粒のものであれば肉眼でもうっすらと色味を感じます。しかしこちらもリングにセッティングされてしまえば熟練のグレーダーでも、専用の光源の元観察しない限りは判別困難なカラーグレードです。

フェイント(ごくかすかな色味) : K-L-M

カラーレスグレードG

フェイントのダイヤモンドは、フェイスアップ、フェイスダウンでもごくわずかな黄色味を感じさせます。大きめのサイズだと黄色味のある印象ですが、小さめのダイヤモンドをゴールドの婚約指輪にセットするとカラーレス(無色)に見えます。

ベリーライト(かすかな色味) : N〜S

カラーレスグレードG

ベリーライトのダイヤモンドは非常に明るい黄色味を帯び、フェイスアップ・フェイスダウンなどの見る方向に関わらず、また婚約指輪に留まった状態であっても非常に明るい黄色味が感じられます。

ライト(色味あり) : T~Z

カラーレスグレードG

フェイスアップ・フェイスダウンなどの見る方向、またルース(裸石)か婚約指輪に留まっているかなどのダイヤモンドの固定状態を問わず、相当の明るい黄色味が確認できるのが特徴です。

DからZの範囲では通常、着色が見えるほど価値が下がりますが、Zカラーを超えると一転して「ファンシーカラーダイヤモンド」という位置づけに変わり、色が濃くなるほど価値が高くなります。

熟練のグレーダーが最も難しいと感じるのがカラー判定

カラーの判定は、ダイヤモンドグレーディングの中で最も豊富な経験と熟練の技術が必要とされる作業です。
透明なダイヤモンドが無色(D・E・F)か、ほぼ無色(G・H・I)かを正確に判断することは人間の色覚能力の限界を超えています。
非常に微妙な違いなので、ルース(裸石)の状態で熟練のグレーダーが定められた光源と厳密な観察条件の下でマスターストーンと比較することで、ようやくその差を判別することが可能になります。

カラーはカットに影響される

ダイヤモンドはそれ自体が光を発しているわけではく、ダイヤモンドに注がれた光を反射して輝いているように見えています。
そのため、私たちが見ている輝きの色は反射された光の色の作用が占めるところが多く、光を効果的に反射させる美しいカットのダイヤモンドほど、色味が美しく感じられます。

ダイヤモンドの地色を正しく観察するために

多くの婚約指輪に用いられるラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドに注がれた光を最も効率よく反射するように作られた理想的なカットです。そのためラウンドブリリアントカットのダイヤモンドをフェイスアップからのぞき込むと、反射している光の色がカラーグレード判定の妨げとなってしまいます。
さらに、光源の質によっては反射色も異なってしまうので、私たちに見える色はダイヤモンド本来の正確なカラーではありません。ダイヤモンド本来の地色を観察することは困難なのです。

そこで実際のカラーグレーディングでは光の反射の作用が及ばないよう、ダイヤモンドをフェイスダウンに配置。パビリオン面の垂直方向からダイヤモンドの生地の色を正確に観察した上で、GIA(米国宝石学会)規定のマスターストーンと比較しカラーを評価します。

また、専門家によるカラーグレーディングでは観察条件の統一も徹底して行われます。
具体的には“Diamond Dock”という色観察用のボックスあるいはそれと同様の環境下で、指定されたデイライト光源及び反射の無い白い背景を使用することが条件付けられています。

光源に使用する蛍光管には、北空昼光を模倣する光源のスペクトル分布が必要という点から「長波紫外線を放出(昼光の重要な特徴)」「カラースペクトルがCIE D65に近似」「色温度6,500K(ケルビン)程度」「演色指数90%以上のもの」という細かい決まりがあります。

このようにグレーディングのエキスパートとしての経験豊かな鑑定眼と、厳格に管理された観察条件が揃って初めて、正しくダイヤモンドのカラーが判定できるのです。

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BRILLIANCE+のショールームに込めたこだわり

ラウンドブリリアントカットの色味はその構造上、一般的な光源下での判別が困難になります。
そのためプロフェッショナルのバイヤーは決して一般光源下ではダイヤモンドの仕入れを行うことはなく、最適な環境下でのみ商談を行います。
世界中のダイヤモンド取引所の多くは北側の壁面に窓があり、自然光でダイヤモンドを見ることができるようになっています。
これは、午前中の北側からの自然光が最も光度が安定しダイヤモンドのカラーを正確に判断できる、宝石商において常識的な環境だからです。

ブリリアンス・プラスのショールームの多くも、本来のダイヤモンドの美しさが体験できるよう、自然光をふんだんに取り入れた空間をお客様に提供できる形に設計されています。また、スポットライトなどの局所的な照明はダイヤモンドのナチュラルな輝きを損ねてしまうため、可能な限り避けることを大切にしています。
「ダイヤモンドのありのままの輝きをお客様にご紹介したい」という、ブリリアンス・プラスならではのこだわりです。