The King of Gem ルビー

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“The King of Gem : 宝石の王 ” ともいわれる赤く輝く宝石は、世界中で最も重宝さている代表的なカラーストーン。

7月の誕生石ルビー、僕のバースストーンなので一番好きな宝石でもある。
そのカラーストーンには特に思い入れがある。

約30年前に東京・上野に隣接する御徒町にある宝石商社に入社して、配属されたのがルビーとサファイアを担当する部門だった。
そこからこの情熱的な宝石との数奇な関わりが始まる。

世はバブル経済真っ盛り1980年代。
本当に宝石が売れに売れた時代だった。
会社は毎月数億円単位で大量のルビー、サファイア、エメラルドを仕入れていた。
僕の仕事は毎月輸入する数百カラット(数千個)のルビーやサファイアを
一つ一つ裸眼とルーペで検品をすること。
色の濃淡、タチ(傾向)、照りの良し悪し、シェイプ(形)、大きさ。
品質は5~6段階。大きさは0.2ctから1.0ctまで5段階。
朝から晩まで仕分けをする。
ルビーを検品した日の夜は目を閉じると瞼が赤くなり、サファイアを見た日は瞼が青くなる。
エメラルドは緑。
そのくらい毎日毎日検品した。
この商社時代の経験のお陰で、ルビー、サファイア、エメラルドなどの宝石の目利きの礎になった。

その当時のルビーは「タイルビー」といわれるやや褐色が混ざる赤みが強い物。濃すぎるものは黒みを帯びる。
タイのバンコク宝石市場から輸入したものだが、産地はタイではなくタイ南東部と国境に面しているカンボジアにあるパイリン地区。
その当時から最高級のルビーは「ピジョンブラッド(鳩の血)」と言われ、ビルマ(ミャンマー)モゴック鉱山産ルビーとされていた。
しかし、軍事政権化で鎖国状態のミャンマーからは殆ど輸入されず、流通量が極端に少ないため、世界のルビー市場の大半はタイルビーが占めていた。
たまに商社仲間が仕入れたビルマルビーはピンク色が強く、ピジョンブラッドカラーには程遠い色目のものが多かった。
たまに上質のものがあったとしても、凄まじく高い値段で取引されていた。
一方タイルビーの方が量、質ともに安定していてルビーと言えばタイルビーという時代だった。

タイルビーは、カンボジア西部のパイリン鉱区から産出されていたが、そのエリアを支配していたのは、カンボジア国民を大量虐殺していたことで悪名高い「クメール・ルージュ」こと「ポル・ポト派」(映画:ローランド・ジョフィ監督の「キリングフィールド」をご覧ください)。
そのポル・ポト派の資金源になっていたのが、このルビーとチーク材などの木材だった。
それらのルビーはタイへと密輸され国境近郊のチャンタブリ市場にて加工されバンコクへと流通していた。
大量に輸入(密輸)されるルビーやサファイアで宝石の街チャンタブリには世界中からバイヤーが溢れ大変に賑わっていた。
カンボジア国境に近いチャンタブリは、以前はルビー鉱脈が近郊にあったことで古くから宝石の街としてさかえ、今でも毎週末に開かれる宝石市場には世界中からバイヤーが訪れ賑わっている。
また、フルーツの一大生産地で、シーズンになるとドリアン、マンゴスチンなどを買付にタイ中からフルーツバイヤーが集まる。
タイ国内でも有数のお金持ちが住む街として、宝石売買で成功した富豪たちはお城のような豪邸に住み「ルビー御殿」と呼ばれていた。

1990年代になるとポル・ポト撲滅の気運が高まり、資金源となるルビーや木材の密輸が完全にストップしたため、ルビー市場は一気に枯渇してしまった。
国境の最前線基地化したチャンタブリは、街中に装甲車と青いベレー帽の国連軍が溢れ、街中のホテルは国連軍に占領されたかのようだった。
戦争がはじまる雰囲気に街中が緊迫した空気に包まれ宝石の買付どころではなくなった。

パイリン地区からの原石を頼りにしていたタイルビー市場は、供給源が無くなって市場消滅の危機を迎えていたが、それと丁度入れ替わるかのようにビルマ北部のシャン高原にあるモンスー近郊に良質のルビー鉱床が新たに発見された。
モンスー鉱山は、最高級で知られるモゴック産に匹敵する上質の原石が大量に産出してあっというまにルビー市場を席巻した。
今まであまり見たことがなかった幻のビルマルビーは正に「ピジョンブラッド」と呼ぶにふさわしい、淡く鮮やかで、明るく強い赤色に輝くものが多く、タイルビーの黒みを帯びた赤色とは明らかに異なる淡く美しいルビーだ。現在流通している多くのルビーもこのモンスー産ルビーである。
丁度そのころ結婚した僕は、家内にチャンタブリで仕入れた1.0ctのジェムクオリティ・ルビーを結婚の証としてプレゼントした。

 

こだわりのルビープレシャスストーンエタニティーリングを発売

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今回発売したプレシャスストーンエタニティリングのルビーも
「ピジョンブラッドレッド」のルビーを厳選し、贅沢にもステップカットからラウンドブリリアントカットにリカットを施して、色調、形をダイヤモンドとあわせて組合せて仕上げた。
思い入れがある宝石だからこそ、経験に裏打ちされた最高品質のルビーを揃えた自信作に仕上がった。

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最高級ルビーの代名詞として使われる「ピジョンブラッドレッド : Pigeon’s Blood Red」

「鳩の血の赤」と表現されて神秘的な響きのあるこの言葉には明確な基準が有るわけではない。
世界中の宝石鑑別機関でも統一された基準はなく、明確な国際基準も存在しない。

確かなことは、ピジョンブラッドレッド=最上級のルビーの色ということ。

カラーストーンの鑑別で、世界的な権威を持つとされるスイスのGUBELIN GEM LABではこの色のことを、
「最も貴重かつ、物質的な世界よりも精神的な色」と表現しています。

また、「高貴で最も貴重なニュアンスがピジョンブラッドレッドであり、カーマインレッドが飽和したような色合いです。より鮮明に、より燃えるような赤い輝きは、選びぬかれた最高のルビーです。」
と表しています。
かつてビルマの商人は、「ピジョンブラッドルビーを見たいと尋ねることは、神様の顔を見たいと尋ねるようなもの」といったとか…。

ルビーの魅力はつきません。
僕もこの宝石に魅了された者のひとりである事は間違いない。

Extremely rare – more a colour of the mind than the material world.
“Ruby owes its pesonal popularity to the gorgeous glowing colour of smoldering red fire beneath its shining, lacquer like surface, and its name, derived from the Latin word ruber = red, denotes the embodiment of the most beautiful red. Light and velvety shades range from pink to darkest purple, but the crown of all the beauty, the noblest and most precious nuance is pigeon blood red, a saturated shade of carmine red. The more glowing, the more vivid is the red sparkle, the choicer and more costly is the ruby.”
„ …asking to see the pigeon’s blood is like asking to see the face of God“ as a Burmese trader once expressed to the point! (A pilgrimage to Mogok – Valley of Rubies, R.W. Hughes)

プレシャスストーンハーフエタニティリング
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